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vol.275しんかい6500:大西洋の深海で世界最深の鯨骨生物群集を発見2016/2/28

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写真はイメージです ©sxc

私たちの食べ物はすべて、太陽の光エネルギーからできています。光合成ができる植物だけでなく、肉も魚も、それらが食べているものはもとをたどれば植物で、植物は光エネルギーを吸収して生きていますよね。さて、太陽の光がまったく届かない深い深い海の底にいる生き物たちは、どうやってエネルギーを得ているのでしょうか。

2016年2月24日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)から、有人潜水調査船「しんかい6500」によるブラジル沖サンパウロ海嶺の水深4,204mの調査結果が発表されました。しんかいが見つけたのは、深海に沈むクジラの骨。そして、そこに巣食う生き物の群れでした。これらは、太陽の光の得られない真っ暗な深海で、クジラの死によってもたらされた巨大な有機物により集まっていたのです。太陽のエネルギーにより成り立っている生態系は「光合成生態系」と呼ばれますが、深海にはこれとは全く異なる生態系が存在しています。それは地球内部から湧き上がる熱水域や湧水域にある、硫化水素、メタン、水素などをエネルギー源として有機物をつくりだす化学合成微生物が生産者として働く化学合成生態です。クジラの骨に集まっていたのはこの「化学合成生態系」に属する生き物たちで、遺骸が分解され、発生した硫化水素をエサとして生きていました。このような生態系の発見は8例目、これまでで最も深い海域での発見となりました。さらに、発見された41種の生き物は形態レベルの検討でそのほとんどが新種であると推定されています。そしてこの発見は、今も残される大きな謎、「遠く離れた深海の熱水や湧水の生物群の構成が、なぜ酷似しているのか?」を解き明かす鍵となるかもしれません。1989年、ハワイ大学のクレイグ・スミス博士が提唱した「飛び石仮説」。それは熱水源同士の生物をつなぐのは深海に沈むクジラの骨であるという仮説です。今回この仮設を強く支持する結果となりました。

海の底から見上げると、あらゆる生き物の死骸がゆらゆらと落ちてくる。これらが深海での生き物を育んでいるんですね。

参考・詳細 国立研究開発法人海洋研究開発機構プレスリリース
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20160224_2/

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