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vol.277海水中のDNA情報で 魚群の居場所と規模を明らかに2016/3/11

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友達と釣り対決!だけど向こうで釣ってる友達は大漁で、自分の釣竿はぴくりとも動かない。「魚の群れがいる場所が分かったら一発逆転なのに・・・」。今回紹介するのは、海水を調べるだけで、どのくらいの規模の、どんな種類の魚群がいるかを探知する方法を新たに開発したという研究です。

現在、どの海域にどんな生物種がいるかを知るには、網などによる捕獲調査や、超音波を利用した魚群探知機による計測調査などが行われています。捕獲調査には時間と費用がかかったり、魚群探知機では生物種の特定が難しく、専門知識が必要になったりと、限られた海域や魚種についてしか調べることができません。そこで、誰でも簡単に行うことのできる観測方法を開発するため、神戸大学を中心とした共同研究グループは研究を行いました。川や海などの水中には、魚類の排泄物や粘液、表皮などの細胞が水中に剥がれ落ちたものに含まれる、魚類のDNAが存在します。これまでの実験結果から、水中のDNAの量が、そのDNAの由来となる生物の生息数に応じて増加することがわかっていました。しかしこれは、実験的に用意された水槽や小さな池、河川の短い区間などでの話。海のような広い水域では、魚から放出されたDNAは広い範囲に分散してしまう可能性 があるため、同じ結果になるかはわかりませんでした。そこで今回、広い水域において水中のDNA解析により魚群規模を推定できるかを明らかにするため、DNA解析と魚群探知機による調査を同時に行いました。今回の実験の対象にしたのは、京都・舞鶴湾のマアジ。湾の47地点で表層と底層からそれぞれ1Lの海水を汲みとり、含まれるマアジのDNA量を測定しました。魚群探知機で測定した採水地点周辺のマアジの数と比較 すると、マアジのDNA濃度が高いほど、採水地点から数10~150m以内のマアジの数が多いことが明らかになりました。これにより、水域の広い海においても、水中のDNA量と魚の生息数が相関することがわかったのです。わずか1Lの水だけで誰でも簡単に魚群を調査することができるので、未来の漁師さんは当たり前のようにDNA検査しているかもしれませんね。

参考・詳細 科学技術振興機構(JST)プレスリリース(2016/3/4) http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160303/index.html

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