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vol.278ペットボトルを分解して 栄養源とする細菌を発見!2016/3/19

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毎日1度は目にするであろうペットボトル。ペットボトルの「ペット(PET)」とは、「ポリエチレンテレフタラート」の略称で、PETは軽く丈夫で透明な、とても便利な素材です。その歴史は比較的浅く、日本では、1977年にしょうゆ容器として採用されたのが始まりで、その後爆発的に普及しました。現在では、容器だけでなく、フィルムや繊維としても幅広く使われています。

そんな優秀な素材のPETですが、大きな課題がありました。PETは石油から人工的につくられ安定な物質なため、廃棄されたPETは自然界に存在する生物の分解を受け付けず、長い間環境中にとどまり続けると考えられていました。しかし、その常識を覆す発見が2016年3月11日、慶應義塾大学や京都工芸繊維大学、帝人株式会社、株式会社ADEKAの研究グループにより発表されました。なんと、PETを分解しさらにそれを栄養源として生存できる新種の細菌が発見されたというのです。 Ideonella sakaiensis 201-F6 株と名付けられたこの細菌は、大阪府堺市で採取された環境サンプルから見つかりました。この株から、PETを加水分解できる酵素(PETace:ピー・イー・ティー・エース)も突き止められました。この酵素は、PET を好んで分解し、常温において高い分解活性を持ちます。これらの能力は、201-F6 株が自然界で PET を栄養源として生存するための武器となっている可能性があると、研究者らは考えています。さらに、PETaseが PET を加水分解することでできたMHET(テレフタル酸 1 分子とエチレングリコール 1分子が脱水縮合した化合物)を迅速に加水分解する能力をもつ新酵素も突き止められ、MHETase(エム・エイチ・イー・ティー・エース)と名付けられました。この2種の酵素 により、PET はテレフタル酸とエチレングリコールに分解されることが明らかとなり、生成したテレフタル酸とエチレングリコールは201-F6 株によりさらに分解され、最終的に炭酸ガスと水になります。

PETのように人工の安定な物質でも、がつがつと食べてしまう微生物は世の中に存在するのですね。もしかしたら201-F6 株は、PETの普及にあわせて進化してきた生き物かもしれませんね!

参考・詳細 慶應義塾大学プレスリリース(2016/3/11)http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2015/osa3qr000001fh3n-att/160311_1.pdf

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