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vol.279水素陰イオン「ヒドリド」を通す 伝導体の発見! 革新的電池開発の幕開け2016/3/25

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出かけようと思ったら、スマホの充電を忘れてた!充電を待っていて遅刻をしたり、途中で充電が切れて出先で不便な思いしたり・・・電池の大切さを痛切する瞬間は多々ありますよね。現在、世界中で様々な機器に搭載され、日々の生活を支えている充電池は実は、日本人の吉野彰らが1985年に製品化への基礎を確立しました。それから30年、分子科学研究所、東京工業大学、京都大学、高エネルギー加速器研究機構の研究チームは、次世代の革新的な電池開発につながる発見をしました。それは、電解質の伝導体としてよく使われるプロトン(H+)とは異なる水素の陰イオンであるヒドリド(H-)を伝導する固体電解質La2-x-ySrx+yLiH1-x+yO3-y(以下LSLHO)です。

電池はプラスとマイナスの電極と、その間に電気を伝える電解質の3つの要素からなっています。今回注目しているのが電解質の材料であるイオン伝導体で、これまで、プロトン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオンなどが使われていましたが、今回発見されたのがヒドリド(H-)という新たな伝導体です。電池の電圧を生み出すには、酸化還元電位が大きい必要がありますが、ヒドリドでの「H2+2e-=2H-」の酸化還元電位は-2.25Vで、リチウムの-3.04V、Mgの-2.36Vにせまる、実用化できるレベルの値でした。また今回もう1つ注目されるのは電解質が「固体」であること。リチウムイオン電池やアルカリ電池などでは電解質が液体でかつ有機溶媒などを使っていて、危険なものの場合が多いです。一方で今回のLSLHOは固体なため、液漏れを防ぎ安全性が上がるだけでなく、電極との接点がどちらも固体になるため反応速度がとても早く急速充電も可能、そして高温でも利用できる可能性があります。実際に今回300度でもヒドリドの伝導率が保たれていることがわかっています。

まだまだ素材が発見されたばかりですが、これまでの常識を覆す全く新しい電池が生まれる可能性があります。みなさんが大人になる頃には、充電池は10秒でチャージ、「昔は充電に時間かけてたねー」なんて笑って話してるかもしれませんね!

詳細・参考:科学技術振興機構プレスリリース(2016/3/18) http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160318-2/

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