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vol.283アト秒パルス光を使って、 超高速な電子の運動を観測! -2016/5/9

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私たちの生活と切っても切り離せないもの、パソコン。パソコンを快適に使う上では、中にあるICチップの働きが重要です。ICチップの働きには、電子の運動が大きなカギを握っているのですが、電子は、どれくらいの速さで振動していると思いますか?その答えは、アト。アトとは10のマイナス18乗を表し、ミリ、マイクロ、ナノ、ピコ、フェムトの次に来る単位。超一瞬です。

そんな一瞬の電子の動きを観測することは、これまで不可能と思われていました。あまりにも短い時間のため、それを観測するためのツールがなかったのです。しかし今回、東京理科大学の須田教授を中心とする研究グループは、独自に観測装置を開発しアト秒スケールの電子の運動を観測することに世界で初めて成功しました。観測のためには、電子と同じアト秒の速度でオンオフができるレーザー光が必要になります。その光が、アト秒ごとにシャッターを切って電子の動きを撮影するカメラのような役割をはたします。これまでは、観測に必要なだけの強度のレーザー光をつくることが困難でした。そこで須田教授らは、2つのレーザー光を組み合わせて使うことに着目しました。特定の波長のレーザー光を2組み合わせることで、光の干渉のような作用でアト秒の間隔で強く光るレーザーを作り出せることを発見したのです。このレーザー光を使うことで、ストロボ写真やパラパラ漫画のように、アト秒ごとの物質中の電子の運動を観測することに成功しました。

これまでに人類は、分子の運動を制御することで新たな薬を合成したり、原子の運動を制御することで、先日、理化学研究所が命名権を得た113番元素などのように新しい元素を発見したりしてきました。今後、分子や原子よりさらに小さい電子の運動が制御できるようになれば、ますますICチップは高性能になり、私たちの生活は一変するかもしれません。電子音がより生演奏に近づいたり、人間と見まごうほど精巧に動くロボットが生まれたり、人工知能がますます台頭したり…。人間と人間が開発したものとの境界がどんどん曖昧になっていきそうですね。

詳細・参考 日本電信電話株式会社、東京理科大学プレスリリース(2016.4.11) http://www.tus.ac.jp/today/20160412_001.pdf

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