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2010.04.29 サイエンスブリッジニュース

SBN004_理科の教科書が変わるかも? 酸素のいらない多細胞生物発見!

もし、酸素がなくても生きることができたらどうでしょう?海にいくら潜っていても苦しくならないし、地面をどんどん掘り進めることもできます。

もしかしたら宇宙に行くことだってできるかもしれません。先週の火曜日、2010年4月6日に、地中海の塩湖から生存に酸素を必要としない生物、それも単細胞生物ではなく、多細胞生物が3種見つかったという論文が、BMC biologyに発表されました。

この生物は、地中海にある高濃度塩水の塩湖の底で、塩水が濃いために酸素を含んだ水と混ざることがないという、環境から見つかりました。

こんな過酷な環境では、単細胞生物しか生きていけないだろうと考えられていましたが、ついに多細胞生物も見つかったのです。この生物の大きさは0.5mm以下、胴甲動物(どうこうどうぶつ)門に属し、胴は底がすぼんだ壺のような形で壺の口にあたるところにたくさんの毛のような「付属肢」を持っています。

卵をもっている個体もあり、その環境で確かに生き続けていることが証明されました。地球には、未知なる生物がまだまだたくさんいるのでしょうね。

論文は、webで公開されています(英文)。

Roberto Danovaro et al., The first metazoa living in permanently anoxic conditions, BMC biology, 2010 8:30