2010.06.29
サイエンスブリッジニュース
SBN012_新しい元素発見!ウンウンクアジウム
地球上に存在する元素を、原子番号順に並べたのが元素の周期表です。地球上にあるすべての物質は、110種類あまりの元素の組み合わせでできているので、周期表は世の中の大原則ともいえる、とても重要な表です。今回この表に新しい元素が追加されるということが、7月24日にイギリスの科学誌
『ニュー・サイエンティスト』に発表されました。暫定名はUnunquadium、読み方はウンウンクアジウム、ラテン語で114番目の元素の意味、元素記号は「Unq」です。
この新しい元素は人工的に、陽子数20を持つカルシウムに、陽子数94を持つプルトニウムを衝突させる方法で作られました。20+94=陽子数114の元素、ウンウンクアジウムができたのです。この元素は、1999年にロシアのドゥブナ合同原子核研究所で存在が確認されていましたが、なかなか再確認ができない状態が続いていました。しかし近年相次いで、アメリカのローレンス・バークレー国立研究所と、ドイツの重イオン研究所が追試に成功し、複数の機関で存在を確認できたことで、化学者の国際学術機関であるIUPAC(InternationalUnionofPureandAppliedChemistry・国際純正・応用化学連合)は、この114番目の元素の承認・周期表への追加に向けて動いており、間もなく結論が出ると『ニュー・サイエンティスト』では伝えています。
ウンウンクアジウムが認定されれば、正式名も決まるとのこと。どんな名前になるか楽しみですね。
参考:『ニュー・サイエンティスト』の記事
http://www.newscientist.com/article/dn19083-element-114-on-the-brink-of-recognition.html(英文)