2010.07.21
サイエンスブリッジニュース
SBN015_貼るだけで予防接種ができる!
冬になると猛威をふるうインフルエンザ。その予防にはワクチンの注射が有効だといわれていますが、注射が苦手だったり、病院に行くのが面倒だったりで、ついつい後回しにした結果、見事インフルエンザにかかってしまった…なんていう経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。そんな方にうってつけの新しいワクチン接種法が開発されました。
7月18日に、アメリカの医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)で発表された論文によると、細かい針が多数ついたパッチを皮膚にはるだけで接種できるインフルエンザワクチンを、アメリカ ジョージア工科大などの研究チームが開発し、動物実験で効果を確認したということです。
針は、皮膚に刺さると数分で溶け、ワクチンが生体に吸収されます。実用化すれば、自分でも接種できるようになる可能性があるそうです。また、病気の予防のためだけでなく、定期的に注射をうつ必要がある方々にとっても注射の負担を軽減させる画期的な技術となりえるでしょう。
いつかは「予防注射」という言葉自体がなくなっていくのかもしれないですね。
参考:論文のアブストラクト(英文)http://www.nature.com/nm/journal/vaop/ncurrent/abs/nm.2182.html