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2010.08.04 サイエンスブリッジニュース

SBN017_日本の海よ世界に誇れ!

8月に入り、ついに夏真っ盛りですね。夏といえば海。海水浴に行った人やこれから行く人も多いのではないでしょうか。実は最近、日本の海があるランキングで世界一の水準であることが分かりました。

そのランキングとは生物多様性です。日本の海洋研究開発機構などの研究チームが、8月2日付の米オンライン科学誌『プロス・ワン』に発表したところによると、全海洋容積で約0.9しかない日本近海に、全海洋生物種数の14.6%が分布することがわかりました。また、日本近海に出現する種数は、バクテリアから哺乳類まであわせると33,629種で、軟体動物が最も多様(8,658種)で2番目が節足動物(6,393種)でした。このように、日本近海の種多様性が高い理由は、地形、水深帯、水温、潮流、気候区分など環境が多様なことに起因すると考えられています。また海には、正式な出現記録がない種が多数おり、日本近海の約20%の種しか認識されておらず、生き物の80%は未知であることがわかりました。例えば、魚類などは比較的研究が進んでいると思われていたのですが、ハゼ類に200種以上の未記載種がいることがわかりました。

この成果は、10年前に始まり、世界80カ国、2000人以上の研究者がかかわって海の生物を調べ続けるという壮大な国際プロジェクト「海洋生物のセンサス:Census of Marine Life(CoML)」の研究成果の一部です。これまで、たくさんの研究者が研究してきたにも関わらず、まだ発見されていなかったり、調べられていない生物が、今の5倍も海に潜んでいると思うと、わくわくしますね。

参考:独立行政法人海洋研究開発機構プレスリリースよりhttp://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20100803/#a4