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2010.08.25 サイエンスブリッジニュース

SBN019_エネルギー問題もフンで解決?!

牧場に行くと、ただよってくるあの香り。「家畜のフンにはあまり近寄りたくない…」という人も多いかと思いますが、そんな嫌われ者のフンの中から、人の役に立つ優れた性質をもつ細菌が発見されました。

8月4日、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所からの発表によると、ジョージア大学と共同で、稲ワラなどに含まれる食物繊維の一種、ヘミセルロースの成分であるキシランを分解し、かつ、70℃以上の温度でも増殖する新しい細菌(好熱細菌)を、羊のフンから発見したとのことです。この新しい細菌は好熱細菌研究の世界的第一人者である大島泰郎先生にちなんで、カルディコプロバクター・オーシマイCaldicoprobacter oshimai )と命名されました。

研究者グループは、羊のフンをキシランを含む培地に入れ74℃の無酸素条件で培養を行うことで、キシランを分解できる細菌だけを選別しました。この反応により、キシランを迅速に分解できるようになる可能性があり、バイオ燃料(バイオエタノール)などの原料としての利用が期待されます。また、この細菌は非営利目的で利用可能とのこと(菌株番号:BAA-1711、DMS 21659)です。

羊のフンの中にも未知の世界が広がっているのですね。

参考:独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 プレスリリースより
http://nilgs.naro.affrc.go.jp/press/2010/0804/xylan_index.html