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2010.09.15 サイエンスブリッジニュース

SBN022_宇宙からいつもあなたを見てる。

2010年9月13日、日本の種子島宇宙センターから新たな衛星が打ち上げられました。それは、準天頂衛星初号機「みちびき」。「みちびき」はGPSからの情報を補完・補強する役割があります。

GPSからの情報によって、私たちの生活はとても便利になりました。カーナビやGPS機能がついた携帯電話があれば、道に迷ってしまっても、いま自分はどこにいるのかすぐに確認でき、遭難事故や犯罪の防止にも役立っています。GPSとは、Global Positioning System の略で、約30機の人工衛星により自分が地球上のどこにいるのかを正確に割り出すシステムのこと。アメリカが軍事用に開発しました。そんなGPSの弱点は、都市部や山間地で高い建物、山などが障害となってしまい、電波が届かないこと。こうした状況を打開するのが「みちびき」です。

準天頂衛星とは、地球上から止まって見える静止衛星とは違い、 8の字を描くように見えるように地球を回る衛星です。今回の「みちびき」は、世界で初めて日本のほぼ真上(天頂)を通るような8の字を描くように設計されているので人工衛星です。複数機組み合わせた衛星システムなので常にどれか1機の人工衛星が日本上空にあるように配置され、人工衛星からの電波が、高層ビルや山に遮られることが少なくなるのです。

今後は空からあなたの車やケータイの位置をいつも見つめている「みちびき」。ちょっと落ち着かない気もしますが、GPSなしの生活はもう、考えられませんね。

参考:8の字軌道の動画も見れます。JAXAホームページ
http://www.jaxa.jp/countdown/f18/overview/michibiki_j.html