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SBN035_アブラムシと細菌の切っても切れない関係

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道ばたに咲く花を摘んでいたら、茎にアブラムシがびっしり…なんていう苦い経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。アブラムシといえばテントウムシの好物で、植物の汁を吸って生きる身近な昆虫です。このアブラムシの中に住む細菌がめずらしい働きをもっていたという研究成果が11月19日の『Science』オンライン版に掲載されました。

アブラムシの中にはブフエラやセラチアなどの細菌が住み、アブラムシと共生関係を保っています。たとえばブフエラはアブラムシにアミノ酸を供給する細菌で、アブラムシの卵巣の中で母から子へ受け渡されながら、2億年前から共生していると考えられています。ブフエラはアブラムシの外に出されると死んでしまい、また薬剤でアブラムシの中のブフエラを殺すとそこからうまれる子は発育が悪く生殖能力をもちません。このようにアブラムシにとって重要な共生細菌ですがこのたび日本人研究者の手によって新しい働きをもつ細菌が発見されました。それはリケッチエラ属の細菌で、リケッチエラに感染した緑色のエンドウヒゲナガアブラムシの体液を赤色の個体に注入したところ、緑色系の色素の量が三倍に増え体色が赤色から緑色に変化したのです。体色の変化は捕食される確率も左右する重要な要因の1つ。リケッチエラが、アブラムシの生存率、ひいてはリケッチエラ自身の生存率を上げているとも考えられています。

アブラムシの中には、これ以外にも未知なる細菌が存在すると考えられています。もしかしたらあなたのおなかの中にも、知らぬまにあなたを守っている細菌が生きているかもしれないですね。
参考 理化学研究所、産業技術総合研究所プレスリリース
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2010/101119/index.html
※エンドウヒゲナガアブラムシの緑色と赤色の体の様子の写真が見れます。

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