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2013.12.01 冊子『教育応援』コンテンツ

【読物】教育応援企業の思い 敷島製パン株式会社 (vol.20)

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飯田理恵さん  開発本部 マーケティング部 販売促進グループ

中高生とともに、日本の「食」のあり方を見つめなおしていきたい!

~自給率200%プロジェクト「ゆめちから」栽培研究プログラム~

敷島製パン株式会社(以下、敷島製パン)は、昨年の秋、関東の3つの高校で生徒達自らが北海道生まれの超強力小麦「ゆめちから」を栽培し研究を行うプログラムをスタートさせた。種を播いてから、収穫し、成果発表をするまで約1年、生徒達と一緒に小麦栽培を通じて「食」のあり方を見つめている。

食べ物はどこでどのように作られているのか?  

「金儲けは結果であり、目的ではない。食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところが あればこそ発展する」敷島製パンが1920年の創業以来守り続ける理念だ。創業から90年余りを経て、今見つめて いるのは日本の食の未来。日本の食料自給率は約40%まで下がっている。その中でもパン用小麦の自給率はわずか 3%。それ以外は海外からの輸入に頼っている。多くの人は日頃食べているパンの小麦がどこから来て、どのように作られているのか知らないのが現状だ。「パンづくりで社会に貢献する」という創業精神をもつからこそ、日本の「食」を見つめなおす取り組みを、未来を担う中高生と一緒に始めた。

「ゆめちから」栽培研究で学校を食料基地に!  

同社が主催する「ゆめちから」栽培研究プログラムは、中高生が自分の学校の中でプランターを使った小麦づくりに挑戦する。高温多湿な日本の風土では高品質な強力小麦を生産することが難しいとされてきた。そのような状況を変えるため、13年という開発期間を経て「ゆめちから」は生まれた。2009年に優良品種登録されたばかりの超強力小麦であり、今まさに北海道の農家を中心に栽培が広がり始めている。

 畑がなくてもプランターがあれば誰でも小麦の栽培に挑戦できる。しかしどうすればプランターという限られた環境で高品質の「ゆめちから」を大量に収穫することができるのか。生徒たちは施肥方法を考え、害虫と戦いながら一年間の長い栽培研究に挑戦する。秋に播いた一粒の種が少しずつ成長してく過程を雨の日も風の日も観察し、翌年の夏、収穫を迎える。収量と品質を測定し、最後には研究成果として発表する。収穫した小麦粉から自分と自分以外のもう一人分のパンを作る。これが「自給率200%プロジェクト」の意味である。

自分で育て、研究するからわかること  

このプログラムを経て生徒は、当たり前のように食べていたパンの裏にある生産者からつながるストーリーに自然と気付く。その気付きを与えることがこのプログラムの目的だ。

 「製パン業を通じて食料自給率の向上にも貢献したい、それが私達が持つ想いです。その『ゆめ』をかなえるための『ちから』となるのが『ゆめちから』だと考えています。未来を担う中高生とともに『ゆめちから』を育て、食に対する想いを共有することが日本の『食』を変えていく力になると信じています」。プログラムに取り組む飯田さんは語る。

第二期「ゆめちから」栽培研究プログラムがスタートしています!昨年度から始まり、無事に収穫と研究発表を終えた「ゆめちから」栽培研究プログラムの第二期が関西の3つの学校を舞台に始まっています。その様子はブログにも公開されているので、ぜひ御覧ください!http://www.yumechikara.com/