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【「グリーンイノベーション/ライフイノベーション」】 ライフイノベーション 理科からつながる未来社会② 「心も体も健康な社会」(vol.23)

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地球規模の気候変動や資源不足、超高齢化や遺伝子関連技術など福祉・医療や生命倫理の課題にせまられる中、社会はどこへ向かっていくのでしょうか。実は日本では、科学技術基本計画として「グリーンイノベーション/ライフイノベーション」という具体的なアクションプランを設定しています。本連載では、この2つのキーワードと理科の学びとの関わりについてとりあげていきたいと思います。

 

理科からつながる未来社会② 「心も体も健康な社会」

子どもからお年寄りまで、誰もが心身ともに健康で、豊かさや、生きていることの充実感を享受できる社会を目指した技術革新「ライフイノベーション」。世界でも最も急速に高齢化が進行している日本では、医療・福祉問題が深刻化しています。このような社会背景を受け、今の高校生がしっかり身に付けておく「生命の科学」とはどのようなものでしょうか。

 

医療の発展は技術の進歩と共にある

世界で初めて発見された抗生物質であるペニシリンが実用化されるまで、伝染病は治療法のない「災害」と考えられていました。1940年代には抗生物質が次々と発見され、公衆衛生の整備も伴って、伝染病による被害はきわめて小規模になりました。科学技術の進歩と医療の発展は常に共にあることを歴史は物語っています。70年代には、CTスキャンによる全身投影が可能になり、臨床データを統合的に解析する仕組みが整いました。80年代になるとタンパク質の理解が進み、インスリンによる糖尿病治療がはじまり、人工の増血剤を用いることが可能になりました。

そして2000年、ヒトゲノムの解読がついに完了し、遺伝子の働きと病気や健康との関連性が少しずつ明らかになってきています。DNAデータベースを用いた遺伝子治療や組織培養研究から発展した再生医療など、これまでにない新しい技術が生まれようとしています。ようやく実現が見えてきたこれらの新技術も今の高校生たちが社会に出る頃には、すっかり一般的な技術になっているでしょう。そんな未来を見据えて、教科書の中にも関連する内容が少しずつ増えてきています。

 

21世紀に目指すライフとは

現在、70億人といわれる地球人口の内、およそ10億人が栄養不足に苦しんでおり、20億人が衛生的な環境に住むことができていません。技術的には治療できる病気や怪我で健康を失い、命を落とす人々が世界には数多くいるのです。日本は科学技術の先進国として、医学や生命科学分野の高い技術力を世界に共有し、発展途上国での栄養食品の増産や、蔓延する疫病についての衛生環境の確保、医療技術の指導などに積極的に参入していく必要があります。一方で、高齢化という社会問題をかかえる日本では、健康な寿命をいかに延ばすかが大事になってきています。今後、日本をはじめとする先進国では、安全で有効性の高い治療法だけでなく、革新的な予防法や早期診断法を新たに創出することが望まれると考えられます。例えば、個人のDNA情報を取得して解析することが一般的になれば、遺伝子レベルでかかりやすい病気を予測し、病気にならないような生活習慣を指導できるようになるかもしれません。また、バイオマーカーと呼ばれる血液中のタンパク質の情報などから正確な病状を診断することで、負荷が少なく効果的な治療薬を投与することが可能になるのではないかといわれています。

 

各々の「生命観」をもとに第3回

遠い先の未来と考えられていた技術が、少しずつ社会の中に溶け込んでくるにつれて、個人の考え方にもとづいて技術の活用を取捨選択し、取り扱うことが必要な場面が増えてきます。先に挙げた遺伝子診断の技術を活用した「出生前診断」は両親が胎児の出生を拒否する理由に繋がりますし、脳死患者からの臓器移植や遺伝子治療など、宗教観や一人一人の「生命とはなにか」の捉え方によっては受け入れがたいケースも出てきます。患者となる個人が自分なりの生命観をしっかりと持ち、判断できるような素地を作っておかねばなりません。そのためには、学校教育の過程でしっかりと「生物」の基本を学び、正しい理解をもって新たな技術と向き合える人材を育成していくことが重要となるでしょう。中学校・高校で学ぶ「生物」が、次の時代を生きる人々の豊かな暮らしを支える「ライフイノベーション」の根幹を担う知識となることは間違いありません。

 

第3回 関西4 私大生命科学シンポジウム

関西を代表する4 つの私立大学から、特に近年注目を集める生命科学系の学部・学科によるネットワーク構築と戦略的連携を目指して始まった関西4 私大生命科学シンポジウムは、今年度で第3 回を迎えます。関西学院大学に2015 年度新たに生命医化学科が設置されるなど、関西の生命科学研究が活発となる中、今回のシンポジウムでは、「私学における戦略的拠点形成事業ならびに産官学連携」に注目し、研究と社会との接点というテーマで、議論を展開してまいります。

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日 時 :2014 年11月30日(日) 13:00 ~ 18:00(12:30開場)

場 所:関西学院会館 (関西学院大学西宮上ケ原キャンパス)
対 象:企業・一般・高校理科教員・大学生(院生)など
幹事校:関西学院大学 理工学部
協 賛:関西学院大学「私立大学戦略的研究基盤形成
支援事業」採択プロジェクト2 件

①脳神経系発達に影響を及ぼす環境化学物質及びガス因子の作用機序解明とそのセンシング技術の開発
②特殊生物の自己組織化能を利用した新規機能基材の開発

T E L:079-565-8300(理工学部事務室)

 

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