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2016.06.06 大学の活動教員研修

<締めきりました>【教員研修@7/30東京】「写真からカメラの位置を推定しよう!」日本女子大学

透視図法は絵画の遠近法の一種ですが、実は全く数学的な手法です。無限に遠くの点を実在のものとして扱うことを正当化するなど、射影幾何学の誕生につながり、現代幾何学の考え方の基となりました。実際に透視図を描いたり、写真からカメラの位置を推定したり、実体験を通して現代幾何学の誕生の経緯を実感しましょう。

現代数学のヒントとなった絵画の手法
絵を描くときに、できるだけ本物そっくりに見えた通りに描きたいと思うでしょう。遠近法では近くのものを大きく、遠くのものを小さく描きます。それをもっと正確にしたのが透視図法です。簡単に言うと、目と描きたい対象物の間に紙面を置き、目と対象物をつないだ直線が紙面と交わる場所に対象物を描きます。実際に、写真はほぼ透視図になっています。
一方、現代幾何学で最重要視される研究対象は「多様体」です。n次元多様体とは、曲面を目一杯、一般化、高次元化したもので、そのどの点のまわりもn次元的で、分岐していない綺麗な図形です。例えば、球面は2次元多様体です。球面はどこもかしこも曲がり具合が同じですが、多様体には各点ごとに曲がり具合が違うようなものも含まれます。
大学の数学科ではいきなり曲面論や多様体論を学ぶことも多いのですが、歴史的にはその前に球面上の幾何学や射影幾何学、双曲幾何学などが発見されて、それが多様体の概念の導入のヒントになりました。

遠近法を数学として考える
透視図法は、幾何学に基づく手法です。例えば、果てしなく遠くまで続くまっすぐな道を見ると、道路の端の線2つがまっすぐ伸びて、だんだん近づいていき、地平線のところでほとんどくっついて見えます。透視図もそのようになります。このくっついた点は、道路の方向の無限に遠い点に対応すると考えられます。このような事実に基づいて、射影幾何学では、無限に遠い点を実在のものとして扱います。
今回の研修では、実際に透視図を描いたり、写真からカメラの位置を推定したりする実体験を通して、現代幾何学が誕生していくさまを味わいます。その手法の副産物として、三角形の3つの垂線が1点で交わるという定理は、うまく立体的に解釈すると、とても自然で当たり前のことに思えることもお話しいただけます。身近に隠れた現代数学の考え方を体験してみませんか。

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参加教員募集!

2016年度は、日本女子大学 理学部 数物科学科 林忠一郎先生に講師としてお話しいただきます。

日時 :2016年7月30日(土)14:00~17:15(予定)
(13:15~13:45 には、希望者のみ参加いただくキャンパス見学ツアーがございます)
場所 :日本女子大学 目白キャンパス
(JR山手線「目白」駅からバス5分、東京メトロ副都心線「雑司が谷」駅から徒歩8分・有楽町線「護国寺」駅から徒歩10分)

内 容:
◆ 講義1 …… 透視図法とは何か?
◆ 講義2 …… 地面が無限に広い平面であっても地平線は存在する!
◆ 実技1 …… 透視図の描き方
◆ 実技2 …… 定規とコンパスを用いた、写真からのカメラの位置の推定
◆ おまけ …… 三角形の垂心の定理の立体的な解釈

定 員:25名(応募者多数の場合は抽選)

参加費:無料

持ち物:
◆ 三角定規:長い方で27cm程度の目盛入りのペアのもの
◆ コンパス:半径15cmの円が描けるもの
◆ 電卓:√計算ができるもの(携帯電話付属のものでも可)

申込締切:6月30日(木)

申込方法:下記フォームよりお申し込みください(要ログイン)

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