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【教員研修会 7/29東京】「学校も宝の山 !? 微生物を探索して課題研究を始めよう!」 日本女子大学

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発酵食品や下水処理など私たちの生活に深く関わる微生物。動植物と比べ育てやすく学校内で研究するには魅力的な生物ですが、彼らが秘める可能性の多くは教科書ではあまり語られていません。日本女子大学の菅野先生は、そのような微生物がもつタンパク質、その中でも特に酵素の力と、酵素の構造から「生物の起源」に迫る研究をしています。

小さな微生物がもつ大きな力
私たちが風邪をひいた時に飲む抗生物質も、微生物の恩恵のひとつです。元々微生物が自己防御のために体内で合成する化学物質を薬として活用しています。これを人工的に合成するためには、何段階もの反応が必要になることが多く不可能なケースも少なくありません。しかし微生物は細胞内の酵素を用いて、いとも簡単に生成してしまいます。こうした微生物の力を利用して物質の合成や分解を行う「微生物変換」の分野に魅了されたという菅野先生。「微生物はその単純な構造から下等生物のように思われますが、人間がいくら考えてもできそうもないことを魔法のようにやる力があるんです」と教えてくれます。

大学敷地の土壌に隠れていた大発見
微生物の力は、環境汚染を招くような難分解性の物質の化合物分解に対してもその効果が期待されています。染料の原料として使用されるアントラキノン化合物もその対象のひとつ。菅野先生がかつて所属していた研究室で、他の研究のために大学の敷地内の土壌から採取した微生物が、偶然にもこの物質をよく分解する酵素をもつことが明らかになりました。この酵素は、その構造内にヘムをもつことや反応開始に過酸化水素が必要な点から「ペルオキシダーゼ」という非常に多くの生物で保存されている酵素だと推測されました。ところが詳細な分析の結果、これまで知られているペルオキシダーゼとはアミノ酸配列や立体構造が大きく異なることがわかったのです。

タンパク質の新たなる進化論
一般的にタンパク質の進化は、起源となるひとつのタンパク質のDNAが長い歴史の中で変異を繰り返し、複数の種に枝分かれすると考えられています。しかし驚いたことに、今回発見されたタンパク質と、立体構造や機能がよく似ているけれど、アミノ酸配列の類似性はほとんど示さないタンパク質が、多数存在することが明らかになりました。これらのタンパク質が同じDNAを起源にもつとは考えにくいのです。こうした現象は、起源となる生物つまりDNAが異なれど、環境に適した結果、身体的特徴が似た生物に進化する「収束進化」に非常によく似ています。タンパク質もまた収束進化するという新たな進化の仕方が示されたのです。こうした進化の過程を紐解くことで、「未だその全貌が明らかにされていない、生物はどのように誕生したのかという壮大な問いの答えに迫ることができるかもしれない」とわくわくしながら菅野先生は話します。私たちの生活を豊かにしてくれるだけでなく、生命の起源を紐解く可能性を秘めているという微生物。彼らは校庭や体内といった身近な環境に存在しています。本教員研修では、菅野先生を講師に迎え、微生物研究の最先端をお話しいただく他、実際に微生物を単離する方法も体験いただけます。共存する小さな存在に着目し、一緒に研究を始めてみませんか?

※写真は昨年日本女子大学で実施した研修会の様子です。


 

2017年度は、日本女子大学 理学部 物質生物科学科 菅野靖史先生に講師としてお話しいただきます。

日 時 :2017年 7月29日(土)13 :00~16 :30
(12 :15~12 :45 には、希望者のみ参加いただくキャンパス見学ツアーがございます)
場 所 :日本女子大学 目白キャンパス
(JR山手線「目白」駅からバス5分、東京メトロ副都心線「雑司が谷」駅から徒歩8分・有楽町線「護国寺」駅から徒歩10分)
内 容:教員研修会「ミクロの世界でナノを考える」
◆ 講義1 ……… 微生物が地球上に存在するわけとは?
◆ 実 験 ……… 身近な環境に存在する微生物を見つける基本的手法を体験する
◆ 講義2 ……… タンパク質の収束進化
◆ 施設見学 ……… 生物系実験室、電子顕微鏡施設 など

定 員:16名(応募者多数の場合は抽選)
参加費:無料
持ち物:身の回りで採取した土試料
※ 研修当日か前日に「薬さじ小1杯」または「ティースプーン1/3杯」程度の土壌等をビニール袋(チャック付きであればなおよい)に入れて持参してください。

申込締切:2017年6月30日(金)24:00
申込方法はこちら
https://goo.gl/4Ktz6F