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佐倉アカデミア 株式会社常磐植物化学研究所講座「植物の成分を精製しよう!」

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株式会社常磐植物化学研究所様より、次世代教育活動についてのレポートをいただきました!

[概要]
日時:平成29年7月21日
場所:株式会社常磐植物化学研究所
タイトル:植物の成分を精製しよう!
内容:カンゾウ有効成分グリチルリチン酸をカンゾウ根抽出液から薄層クロマトグラフィーにより分離・検出する体験実習を通じて、植物から特定成分を精製する原理・技術を学ぶ。
対象:高校1、2年生
参加者:千葉県立佐倉高等学校1年生18名

株式会社常磐植物化学研究所(tokiwa)では、社会貢献活動の一環として高校生を対象とした実験講座を開催しており、講座を通して植物化学を学び、地元の企業について知ることで、次世代の科学技術系人材の育成を目指しております。
千葉県立佐倉高等学校は、平成25年度4月に文部科学省によるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校となり、その取り組みの一つとして、SSHの認定初年度よりtokiwaが開催する実験講座を受講していただいております。本年度も7月21日(金)に1、2年生18名を対象とした「植物の成分を精製しよう!」と題した実験講座を受講していただき、その後、本社敷地内の工場施設やハーブ園を見学していただきました。
講座のはじめに、tokiwaの紹介映像を放映し、佐倉高校の皆さんに地元に植物を取り扱っている専門会社があることを知っていただきました。当社は企業相手の原料メーカーであり、高校生にとっては普段の生活では関わりの薄い企業ですが、当社の仕事内容について熱心に耳を傾けている姿が印象的でした。続いての実験講座では、複雑な組成である植物から特定の成分を精製しました。実験試料として、食品、生薬や医薬品、化粧品で広く使われているカンゾウを用いて、その根の抽出液から、甘味料や抗炎症作用を有するグリチルリチン酸という成分を薄層クロマトグラフ法により分離させ、紫外線照射下で検出していただきました。化学を学び始めて間もない高校生にとって、クロマトグラフィーの原理や実験の技術的なものは難しかったかもしれませんが、それでも参加者の皆さんは真剣に実験に取り組み、精製の原理や技術を理解しようとする姿勢を示してくれました。実験のなかで「この液体の化学式を教えてください」など、学んだばかりの化学に知識を駆使して取り組む姿が初々しく印象的でした。一方で、「展開溶媒はなぜ一種類の溶液だけでなく複数を組み合わせて使うのですか?」などの実験に関する具体的な質問には、研究への好奇心や知識に対する積極性を感じました。また、食品用途のグリチルリチン酸を実際に口にして、今回の実験で精製しようとしている成分が、実は砂糖より遥かに甘く、しかも特有の味があるということに驚いていました。中には「薬の味がする」と、身近な食品や医薬品に含まれていることに気づき、興味深そうに何度もショ糖とグリチルリチン酸の味比べをする学生もいらっしゃいました。

実験講座の後に、工場見学を実施いたしました。実際の植物精製工場では、理科室での実験が数百倍以上のスケールで行われています。普段滅多に見る機会がないため、皆さんは植物精製工場に興味津々だったようで、釜やタンクなど大きな設備には目を輝かせていました。品質管理の施設を見学した際には、普段では見慣れない分析機器を興味深そうにしげしげと見つめていました。見学中も分析で扱う機器、HPLCやカラムの原理について、また植物の成分分析に関して質問をするなど、分析に関して強い関心を持ったようでした。新鮮な目で見て学ぼうとする姿勢は、今後も大切にしてほしいと思います。

工場見学と同時に行ったハーブ園の見学では、クイズを交えてハーブについて学びました。ニンジンの名前の由来やクチナシの色について出題され、見学中に熱心にメモを取り、ハーブについて学んだ学生の皆さんのほとんど全員が積極的に挙手する姿から、植物への関心の高さや学びを活かそうとする意識を感じました。ハーブというと乾燥した葉などの加工品以外は、元々の状態を目にする機会は少ないと思います。そのため、様々なハーブを見て、実際に手で葉っぱをつぶし、出てきた香りを感じるなど、体験を通してハーブについて学んでいただきました。

今回の実験講座や工場見学では、普段の生活の中にある医薬品、お菓子、化粧品やその添加物は植物に由来することが極めて多く、私たちが生活の中でどれほど植物の恩恵を受けているのかを学んでいただけたと思います。また、理科室で習ったことが、スケールは違っても実際の工場では同じようなことが行われていることを学び、科学への一層の興味関心を持っていただけたらと思います。
高校の授業は座学が中心ですが、本講座をきっかけに、科学が私たちの生活にどれほど活かされているのか意識し、科学を学ぶ面白さに気づいて頂けたと思います。本講座を受講した学生の皆さんが今後も科学に関心を示し、探求していこうとする姿勢を持ち続けて欲しいです。