someoneは、中高生をメインターゲットに、サイエンスを楽しくわかりやすく伝えるための冊子です。年に4回、6万部ずつ発行されています。
someoneの一番の特徴は、学校の先生方が送料を負担して、お取り寄せ頂いているという事。
その為、フリーペーパーのように、積まれたまま読まれないという状況にはならず、授業中に副読本として活用されたり、夏休みのレポートのテーマとして使われるような冊子になっています。
発行元:知識プラットフォームのリバネス 2002年設立。理系の修士博士号を取得した人材のみで経営されている会社です。
someoneのコンセプト
コンセプトは、「いつもあなたのそばにサイエンス」
someone(サムワン)が創刊されて、もう5年もの月日が流れました。当時、科学雑誌が次々と店頭から消えていく中、someoneという雑誌が創刊されたのは、「サイエンスにふれあう機会を減らしたくない」というリバネスらしい想いも重なってのことでした。
サイエンスは身の回りのあらゆるところに存在し、そこにある現象ほど興味深く魅力的で、理にかなったものはないという研究者の感覚と視点を、もっと多くの人に伝えたいーー。そんな気持ちが、このsomeoneという雑誌の根幹にあります。
若手研究者が発信する「サイエンス」
someone創刊準備号(00号)が発行されたのは2006年10月1日のこと。当初は、2人のインターン生が2人の役員の指導を仰ぎながら、制作にあたりました。
どんな大きさの本に仕上げるのか、どういった内容を掲載するのか、コンセプトは、継続するためのビジネスモデルは・・・。これらすべてをインターン生も役員も関係なく議論しました。
そのため、様々な部分に「こだわり」があります。例えば、表紙は文系女子でも持っていたくなるような図柄にしています。版型はノートサイズのB5としました。
高校生以下は無料(冊子本体)で入手することができ、学校で授業やHRの時間に先生の手から配布されるという流通形式も、リバネスが学校教育に関わってきたからこそできた独自のフローです。
そして、何よりもこだわっていること。それは「若手研究者が次世代に向けてサイエンスの魅力を描く」という点です。すべての記事、デザインまでも若手研究者がプロデュースしています。さらに研究者が取材に出向くことで、なかなか引き出せない情報なども、記事に盛り込むことができるのです。
「サイエンス」の本質に迫る
someone 00号(創刊準備号)の一番最初の記事「花が咲くという不思議」で、私たちは「フロリゲン」という物質を取り上げて記事にしました。花が咲く仕組みについての研究をここで紹介し、身近なところからサイエンスを感じてもらおうとしたのです。
しかし、記事掲載から1年後。この内容が覆される発見がありました。それが、someone 03号に創刊1周年記念特別企画として掲載された「花が咲くという不思議 ~2年で覆されたフロリゲンの正体~」です。(協力:奈良先端科学技術大学院大学 玉置祥二郎さん)
よく、サイエンスというと物理・化学・生物・地学を思い出すひとが多いと思います。暗記をしたり、計算をしたりと、教科書と参考書を見ながら勉強をするイメージも強いかと思います。しかし本当は、まだ解明されていないことも多く、フロリゲンの研究のように、情報が更新されることもよくあるのです。
科学は常に新しい発見があり、その感動を共有していける媒体。それが、リバネスが手がける科学雑誌「someone」なのです。(文・佐野 卓郎)
3つの特徴
- コンテンツやデザインへのこだわりそのときどきの話題や季節にあわせ、身近なサイエンスから最先端の研究まで、ワクワクするサイエンスをお届けしています。表紙やページレイアウトは、サイエンスが苦手な高校生でも手に取りやすいおしゃれなデザインにこだわり、持ち運びやすいノートサイズの一冊に仕上げました。
- 作り手は、現役の大学生・大学院生普段は、大学や研究所で研究を行う理工系の大学生・大学院生が本誌の作成を手掛けます。より高校生に近い視点で、サイエンスを正しくわかりやすく伝えます。
- 全国の高校生に向けて無料配布気軽に手にとってもらうため、通常は500円ですが、高校生以下の方には無料で配布しています。学校では、先生方に送料のみ負担でお取り寄せいただき、先生から生徒さんへ配布していただいております。授業の副読本として使われている唯一の科学雑誌です。
someone詳細
- 科学雑誌『someone』
- 発行部数:8万部
- 発行日:年4回(3・6・9・12月)
- 設置:全国高等学校,書店
- 判型:B5判
- ページ数:32ページ
- 定価:500円(税抜)