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2013.11.18 冊子『教育応援』コンテンツ授業で使えるツール

【サイエンスポスター】60兆個の細胞をつくる栄養素、知ってる?

あなたの人生と共にある葉酸  ~生物学を自分事にしよう~
葉酸をテーマとして、生物学の学習内容が私たちの身体や生活と密接に結びついていることを実感できる教材開発に挑戦しました。中高生のうちから、自らの身体や生活をサイエンスの視点で見る方法を養うことで、家族のために正しい知識を身につけ、科学的な議論に対しても自分の頭で考えて判断できる、賢いお母さん、お父さんになることができると考えました。

 

ポスターのダウンロードはこちらから

 

葉酸は身体に必須の栄養素ですが、体内では合成できないため、食べ物から毎日取り入れていく必要があります。妊娠においては特に重要で、十分な葉酸の摂取は先天性異常のリスクを減らすことが報告されています。

葉酸は体内でテトラヒドロ葉酸に変換され、DNA合成に必要な酵素の補酵素として働きます。1個の受精卵は細胞分裂により、赤ちゃんになるとおよそ3兆個(大人になると60兆個)もの細胞になるため、それだけの量のDNA合成が行われており、そのために葉酸が必要となります。赤ちゃん以外でも、細胞分裂が盛んな皮膚、血球、末梢神経などにも必要とされています。

DNA合成、細胞分裂などの生物学の学習内容が、妊娠・出産、肌の荒れ、貧血、イライラした気分などの私たちの身体や生活と密接につながっている、ということが実感できる内容となっています。ぜひ授業で活用してみてください。

 

教材の監修にご協力いただいた、
平原史樹先生(横浜市立大学大学院 産婦人科学教授)からのメッセージ

—————中高生のうちから妊娠・出産の知識を!—————
葉酸不足は赤ちゃんの先天異常の原因の1つになる可能性があります。妊娠に気がつく前の初期の頃から赤ちゃんの成長に必要であり、また妊婦だけではなく毎日の健康を保つためにも、普段からの摂取が望まれる栄養素です。多くのご両親は、妊娠が判明した時点から、驚くほどの強い向学心を持つようになりますが、妊娠する前に、その十分の一でもよいので、出産に関する知識を持っていていただきたいと感じています。

栄養を体系的に学ぶ機会は少なく、中学や高校での理科の授業が最後の機会になる可能性がありますので、先生方にはぜひ、理科や生物の授業の中でも、葉酸の不足、タバコやアルコールなどの影響について、授業の内容と関連させて語っていただきたいと思います。

先天異常はどのような環境でも、ある一定の確率で必ず起こるものですので、生徒に語る際には話し方に十分な配慮が必要です。その上で、先天異常を防ぐために科学的に判明していることは実行するべきです。それが知識不足でなされなかった、ということが少しでも減るように願っています。
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ダウンロードはこちらから!(PDF 10MB)

 

授乳期、成長期、妊娠、出産という各ライフステージの中で、葉酸がどのような働きをしているのか、生物学的な説明を基礎にしてポスターにまとめました。理科室だけではなく、家庭科室、保健室にも貼ってください。生物学は栄養学や健康な生活にもつながっています!

 

企画:杏林製薬株式会社・株式会社リバネス