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サイエンスブリッジNEWS【ノーベル生理学医学賞】

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脳の中には地図がある!自分の「位置」を知る仕組み解明!

 

「あ!スマホがない!落としちゃったかな…?そうだ。GPS機能でどこにあるのか調べよう!」カーナビや携帯電話に使われているGPSは、それがどこにあるのか正確に教えてくれますが、同じような機能が動物の脳にも備わっています。2014年のノーベル生理学医学賞は脳内で空間認識を司る仕組みの研究の成果により、ジョン・オキーフ氏とモーゼル夫妻に贈られました。

脳には大きく2つの働きがあります。1つは、手足を動かしたりホルモンを放出させたりするため、筋肉や分泌器官などに命令する働きです。もう1つは周囲の情報を受け取り、状況を把握することです。脳はこの2つをリンクし、状況を適切に判断して行動を選択しています。この状況を把握する仕組み、実はとても複雑です。例えば、目の前の相手が怒っているのか喜んでいるのか、雰囲気でけっこうわかりますよね。それは表情や声のトーン、あるいは姿勢や緊張感など、説明しきれないような情報までも脳が統合し、総合的に判断しているためです。この判断に至るまでの仕組みは未解明な部分が多く、認知科学と呼ばれ、心理学や動物の行動学、あるいは人工知能の観点からも盛んに研究されています。今回、自分のいる位置を認知する仕組みを解明した研究者にノーベル賞が贈られました。

オキーフ氏はラットの脳を調べることで、記憶に関わる海馬という領域の中に、自分がいる位置に対応する細胞があり、地図のようなものを作っていることを発見しました。また、モーゼル夫妻は、内嗅皮質という領域の近くに、空間の正確な位置情報(地図の方向や大きさ)を決めるのに働く細胞があることを突き止めました。脳では、それらの細胞が一緒に働くことで「自分がどこにいるのか」判断していることがわかったのです。

最近では、情報科学の発展が目ざましく、人にできない精確な動きのロボットを実現したり、将棋で名人を負かしたりするなど、与えられた条件の中で最適な行動を選ぶことにはコンピューターが優れた能力を発揮しています。一方で、自ら周囲の情報を得て、総合的に判断する、という点においてはまだ人の脳に及ばないと言われています。まだまだ未解明な部分が多い脳科学ですが、情報科学と結びつき、互いを高めあってほしいと思います。

 

参考:http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2014/press.html

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