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2016.09.12 サイエンスブリッジニュース

vol.287突然のゲリラ豪雨とはおさらば? 〜スーパーコンピュータを駆使した ゲリラ豪雨予測〜-2016/9/12

天気予報は「晴れ」だったのに、外出中に突然ゲリラ豪雨が降ってきて、さんざんな経験をしたことはありませんか?「ゲリラ豪雨がいつ起こるのかを予測できたら、事前に雨宿りができるのに・・・・」。今回は、そんな願いを実現してくれるだろう研究を紹介します。
天気予報は、観測データをもとに、風や気温などの時間変化を物理学の方程式により計算し、未来の気象状況をシミュレーションすることで行われています。ところが、ゲリラ豪雨は、わずか数分の間に積乱雲が急激に発生・発達することで起こるため、1時間ごとに更新される現在の天気予報では予測が困難でした。短時間で、しかも局所的に発生するゲリラ豪雨を予測するには、数分刻みで更新される局所ごとのシミュレーションが必要となります。

今回、理化学研究の研究チームと情報通信研究機構、大阪大学らの国際共同研究グループは、スーパーコンピュータ「京」と、最新鋭の気象レーダを組み合わせた「ゲリラ豪雨の予測手法」を新たに開発しました。京を用いることで、膨大なシミュレーションデータを得ることができます。さらにレーダからは、100mごとの精度で30秒ごとに更新される膨大な観測データを得ることができます。これらのビッグデータをさらに用いて精度を高める「ビックデータ同化」が今回の研究のポイントです。シミュレーションした気象図と、レーダで得られた実際の気象図と比較することで、実際の気象図を正確に反映するようにシミュレーション条件を変更して再度シミュレーションしなおし、シミュレーション画像と気象図を「同化」させます。これにより実測の気象図に非常に近いシミュレーション画像が得られ、高精度に積乱雲の発生をシミュレーションすることに成功したのです。30分後までのゲリラ豪雨を予測することができるといいます。

1976年以降の観測データからは、1時間降水量50mm以上の年間発生回数が10年ごとに約20回ずつ増加傾向にあることがわかっています。今回の研究で、年々増えているゲリラ豪雨による甚大な災害を未然に防げるようになる日も近いかもしれませんね。

理化学研究所プレスリリース (2016/08/09)
http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160809_1/

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