第9期Global Rocketry Challenge打ち上げ会を日本大学理工学部にて開催しました!

目的
各チームが製作したオリジナルモデルロケットの機体を持ち寄り、採択校同士の工夫を学び合うとともに、秋の全国大会に向けて今後の開発方針を検討すること。
概要
2025年8月7日、Global Rocketry Challengeの採択校を対象とした「打ち上げ会」が、日大ロケット研究会の協力のもと開催されました。本イベントでは、日本大学理工学部航空宇宙工学科 教授 髙橋賢一先生による特別講演、日本大学の研究施設の見学、そして参加校によるオリジナルロケットの打ち上げ、交流会が行われました。
髙橋賢一先生による特別講演、研究施設見学ツアー
髙橋賢一先生からは、流体力学やエンジンの燃焼を使ったロケット研究の最前線についてご講演いただきました。特に、現在研究が進められているハイブリッドロケットエンジンの開発、安全かつ低コストで製造できる燃料の改良、将来的な宇宙旅行の可能性など、未来を見据えた話題が展開されました。
講演後は、大学内の実験施設である風洞実験室と燃焼実験施設を見学。風洞実験では、秒速6〜10mの安定した風を体験し、自然風との違いや流体計測の重要性を実感しました。
続いて行われた小型ハイブリッドロケットエンジンの燃焼試験の見学です。ここではエンジンの燃焼効率や圧力変化、燃料の燃焼量が測定されます。燃焼時の音が大きいと注意事項が伝えられ、参加者が耳をふさいで恐る恐る見学する姿もみられました。
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風洞実験器からの風を体感 | 発射台への準備の様子 |
モデルロケットの打ち上げと参加校の取り組み
午後は、各校が製作したオリジナルロケットの打ち上げと、参加校同士での振り返り交流会を実施しました。交流会には、Global Rocketry Challenge第7期卒業生、特定非営利活動法人日本モデルロケット協会、日大ロケット研究会から大学生も参加し、当日の打ち上げの振り返りや、アドバイスをもらいました。
各校の様子は以下の通りです。
- 片山学園中学校・高等学校
設計と製作の工夫が光る完成度の高い機体で目標を達成。特に、ショックコードの設計において緩急をつけた2本のケブラーを用いた衝撃吸収方法が成功し、機体は軟着陸しました。
- 埼玉県立大宮高等学校
フィンの破損に対応しながら、他校と連携し記録を取るなど探究心と観察力を発揮。手製のパラシュートは防災用シート製。しっかりとくしゃくしゃにされており、風に揺れる姿が丸く、良いパラシュートだ!と褒められる場面も。
- 佐野日本大学中等教育学校
スプレー塗装による視認性や耐水性への配慮して製作。技術交流会では他校に積極的に質問し、「どんなスプレーで塗装したんですか?」など互いの共通項目について工夫を話す姿勢が見られました。
- 広島県立広島叡智学園高等学校
島という限られた環境下で素材の調達から工夫を重ね、最後まで粘り強く機体を調整する姿が印象的でした。大会で使用する発射台への設置方法も再確認。閉会後も、大学生などロケットの先輩たちにたくさん質問をしていました。
- 茗溪学園高等学校
打ち上げ後、「楽しかったです!」という声が何度も聞かれ、設計や改良への自信と今後の向上心が伝わってきました。GRC卒業生が当時極めた機体の質量を聞き、さらなる高みを目指す姿勢も見られました。
本打ち上げ会は、技術的な学び、大学での研究、参加校間の交流という3本柱で構成されました。それぞれの学びが、今後の設計・改良・探究活動につながるはずです。全国大会に向けて、どんな機体を製作するか、目が離せません!
本プログラム実施体制
主催:特定非営利活動法人日本モデルロケット協会
協賛:ロッキード マーティン
企画・運営:株式会社リバネス
株式会社リバネス
担当:大島、橋本、濱田
TEL:03-5227-4198 MAIL:[email protected]